百花繚乱の加賀白山、室堂平で自然観察教室に学ぶ

8月14日夜−16日

                           団塊オジサン 

雲海に映る白山のシルエット

 富士山、立山と並び三大霊山に数えられる加賀白山(2702m)は信仰の山であると同時にハクサンコザクラなど多くの固有種を持つ花の名山としても人気が高い。当初、残雪期のGWに登頂を計画していたが、豪雪で市ノ瀬からの道路除雪が例年より1カ月遅れとなり登頂を先延ばしにしていた。ところがこの豪雪が幸いしてか、8月の月遅れ盆の季節になっても高山植物は百花繚乱(りょうらん)の観を呈していた。

 金沢駅から2時間の登山バスに揺られ降り立った登山口の別当出合では夏真っ盛りとあって猛烈な暑さ。登りに取った砂防新道は室堂平まで4時間30分のコースタイム。幸い甚之助小屋など随所に水場があり水分補給と休憩を多く取ったことで超スローペースの登山。治山工事用道路が通る中飯場を過ぎ別当覗で観光新道の稜線を仰ぎ、甚之助小屋で昼食を取る。信仰の山、花の名山、お盆休みとあって家族連れや女性同士の登山者も多く登頂者の平均年齢もかなり若そう。標高2000mを過ぎたあたりから「落石・崩落に注意」の表示が見受けられたが、危険と思えるほどのところはない。暑さにたまらず黒ボコ岩直下の白山延命水では30分の大休止をとり、黒ボコ岩に登ってみると雪渓の上部に最高峰の御前峰(ごぜんみね)の全容が現れる。

ご来光に向かって万歳三唱

弥陀ケ原からは傾斜が緩やかになり14時15分に室堂平到着。室堂ビジターセンターは自然保護と宿泊の拠点で大規模な施設。白山の特色は財団法人白山観光協会が施設運営をすべて取り仕切っており、民間業者による無秩序な開発から自然を守っている。15時から県の自然観察員による「自然観察教室」(無料)が開かれ参加する。室堂平周辺を散策しながら高山植物を観察するが、花名だけでなく名前のいわれ、種の保存のため短い夏の間に精一杯の活動をする植物群を学び、自然の営みの偉大さに感銘を受ける。メモしただけでもハクサンコザクラ、ハクサンフウロなど30種を超す。教室終了後は暮れなずむ室堂平のベンチに腰掛けながらビールを飲み、夜行バスとあって夕食後は早めに床に就く。同所での宿泊は完全予約制で定員600人に対し130人の宿泊者とあってゆったりと寝床が確保できた。

室堂平に咲く花たち

翌日16日は日の出の1時間前に白山奥宮神社の太鼓が鳴り響く。4時前に起床し4時36分に最高峰の御前峰に到着、5時過ぎに北アルプス白馬連峰の稜線上から太陽が顔を出す。日の丸の鉢巻に白装束、はかま姿に下駄履きの白山神社神官の音頭でご来光(白山ではお日の出様という)に向かって万歳三唱。登頂者の大音声が夜明けの山頂にこだまする。北アから南ア、御嶽山、荒島岳など360度の展望、西の雲海に白山のシルエットが映る「影白山」も見ることが出来た。ご来光を終えるとお鉢巡り、ここでも自然観察教室が開かれ観察員2名が同行して高山植物や池沼生成のいわれを学ぶ。山頂部は大小7つの池沼を擁し、いずれも火口湖とのことで最後に訪れた千蛇ケ池は万年雪で覆われ湖面が見えることはないという。単独行者にとってこのような自然観察教室はありがたい。

黒ボコ岩から望む白山山頂(御前峰)

2時間近いお鉢巡りを終えビジターセンターで朝食を済ませ下山の途に。砂防新道を登り観光新道を下って金沢に戻るのが一般的なようだが、ブナ林が美しいという大倉尾根を飛騨側に下る。夏の遅くまで残るカンクラ雪渓を左に見やり、咲き始めたばかりのアザミに励まされブナ林の急坂を下る。このコースの登頂者も結構多い。大倉避難小屋で1度だけ休憩をとり白水湖畔の平瀬道登山口に降りる。前日予約した乗り合いタクシーで平瀬温泉の立ち寄り湯まで送ってもらい汗を流した。平瀬温泉は合掌造りで名高い白川郷にも近いが、白川郷は雪のライトアップの季節に訪れようと考えているのでパスし、バスで高山市に出た。小京都・高山市では市街を散策、ラーメン屋の多いのに驚く。観光地とあって昼間から営業している飲み屋はなくバスで松本市に出てJR中央線で帰京した。花の名山をこよなく満喫できた山旅が「わが百名山紀行」の一頁に書き加えることができた。

<コースタイム>

8月15日(快晴)=金沢駅BT(登山バス)0640−0840別当出合0930−1003中飯場1010−1040別当覗1050−1133甚之助小屋1215(昼食)−1310延命水1340−1415白山室堂(泊)1500自然観察教室に参加し室堂周辺の草花観察

16日(快晴)=室堂平0405−0436御前峰(白山山頂)・0513ご来光0520−0538紺屋ケ池0540−0551緑ケ池−血の池−千蛇ケ池0608−0658室堂平(朝食)0733−0805カンクラ雪渓0808−0840大倉避難小屋0850−1020平瀬道登山口1100−1140平瀬温泉BT(入浴)1230(バス)−1415高山市BT1650−1900JR松本駅−JR八王子