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初秋の山上湿原にアキアカネ舞う僻遠の平ケ岳 団塊オジサン 05年8月18日夜―20日 <メンバー>RYU(SL)、きょん、SA、テンプル、団塊オジサン
8月18日夜、西武線・石神井公園駅前に5人が集合し、むくつけき男性陣4人が「きょん号」に世話になり、西那須野IC経由で目的地を目指す。零時過ぎに鷹ノ巣の登山口駐車場に到着、小宴のあとテントで仮眠。翌朝6時30分に出発したが、前夜から駐車場で待機していた数台の車の中では、わがパーティーがラストだったようだ。きょんさんを先頭に歩行開始10分ほどで下台倉沢を飛び石伝いに渡渉、いきなり前坂の急登となる。両側が切れ落ちたヤセ尾根では立秋を過ぎたとはいえ太陽は容赦なくジリジリと照りつける。北方に鷹巣山を見やりながら30分も歩けば水分補給したくなるほどの暑さのなかを難行苦行の末、下台倉山にようやく到着した。下台倉山からは少し傾斜は緩やかになったが、それでもかなりのアップダウンがあり稜線から望める会津駒ケ岳や燧ケ岳の遠景に癒される。三角点のみがポツンと設置された台倉山を通過したあたりから木道が所々現れる。正午前に樹林帯の一角にある白沢清水で調理用の水を調達し一心地入れる。砂漠のオアシスのような湧水で水量は細いがキンと冷えた水がコンコンと湧き出ており、暑さでバテ気味の身には一服の清涼剤だ。幾度かの休憩を挟み笹原の池ノ岳のピークを越えると姫の池で眼前がパッと開ける。一帯は池塘(ちとう)に覆われた山上湿原で人っ子1人いない。残念ながらビール冷却用の雪渓はすでに消えていた。山頂までまだ30分の距離だが、夕立が降り始めたこともあり池畔の木製の筏のようなところにテントを張る。テンプルさんも購入したばかりのテント初使用とあって、すぐそばに個室を構える。
30分ほどでスコールもやみテント外へ出て宴を繰り広げる。きょんさんは薩摩の芋焼酎、SAさんは定番のバーボンのボトルを開ける。素足になり木道に腰を掛け、暮れなずむ山上湿原に流れる山霧を眺め、時折り聞こえる遠雷も今宵は場を盛り上げるBGM。後続パーティーもなく貸し切りの広い湿原でまったりと至福の時を過ごす。時折りアキアカネがほおを掠めて飛び去る。呑むほどに酔うほどに談論風発…。「すしに蕎麦、うどん、ラーメン、スパゲティ、餃子にシューマイ、ステーキ、ハンバーグ、和食に中華、フランス、イタリア料理と、ランチ、ディナーをいとわず多彩に手軽に食することができる都市は世界中を探しても東京以外にはない。ワシは日本人に生まれてよかった」と某某某氏が叫ぶと「英国人はサンドイッチに鶏肉だけ」「ドイツ人は芋とソーセージの貧困な食生活」「アングロサクソンやゲルマンジーの食文化は三流だ」と民族論にまで話題が及び間髪を入れず合の手が入る。夜の帳が下り始め、締めくくりはインド料理の「伽哩屋さんのカレー」で胃袋を満たし19時過ぎには床に就く。シュラフカバーだけだと少し寒い。夜半にかけ雨足は強まるが、深夜、テント外に出ると一面の星空で、雲海上に平ケ岳山頂や尾瀬・燧ケ岳の蒼いシルエットが浮かび上がり、翌日の晴天を約束してくれた。
20日朝は4時過ぎに起き「ツガの廊下」を経由して2141Mの山頂を極め、ご来光を拝む。山頂は平らで当局の表示板が1箇所だけある至ってシンプルな風景。池塘に映える朝の光の帯が美しい。気温上昇とともに朝靄も取れ始め北方に越後三山の一つ、中ノ岳が西側に大きく裾を落としている。ほどなく山頂を辞し、途中、雪渓から流れる水場で飲料水を調達し、徒歩30分の玉子石を見学。花崗岩が風化して球形状に自然生成された奇岩で、湿原上にある唯一の鉱物性構造物、いずれ崩壊の運命にあるという。2時間ばかりの雲上の楽園を逍遥後、テントに戻り朝食とモーニングコーヒー。テンプルさんが担ぎ上げたグレープフルーツもおいしくいただく。姫の池の幕営地出発は7時45分で往路を下る。日差しは昨日より強い。白沢清水でのどを潤し再び下り始めると、早々と登頂者に出会い始めた。一様に軽身の日帰りスタイルで、なかには「大朝日、皇海山、越後駒ケ岳とこなし、今日の平ケ岳で4日連続。1人で車移動だから疲れたうえに費用もかかる」とは横浜からの百名山行脚とおぼしき男性単独行氏の弁。台倉山を過ぎたあたりからは幕営装備のパーティーも4組ほどとなり、前坂のヤセ尾根を慎重に時間をかけて下り、12時30分に鷹ノ巣口に下山した。 帰路、桧枝岐村にある公営施設「燧の湯」で汗を流した。「明日は日曜だし風呂上がりに、すぐ近くに登山口のある会津駒ケ岳(2133M)に登るのも一考ですよ」とテンプルさんに水を向けると「楽しみは後日にとっておく」との返事。ならばと村内の食堂に立ち寄り、つなぎを一切使わない名物の「裁(たち)そば」を食し一路東京へ向かう。那須・塩原あたりでは夏の風物詩、猛烈な夕立と雷に遭遇するが「打ち水」の風情で「きょん号」は快調に走る。さすが自動車関連のお仕事とあって、ドライブテクニックは「安心と信頼のマーク」、非礼とは思いながらうたた寝気分で帰京させてもらった。苦労の百名山といわれる平ケ岳、単独行なら登頂前後に山ろくの民宿で2泊はする覚悟だったが、楽しく効率よくクリアでき大感激。いつの日か草紅葉の季節に再度訪れたいとも思うが、僻遠の地ゆえに実現するかどうか、RYUリーダーはじめ同行の皆様に感謝多々。(写真は掲示板から、きょんさん撮影のフォトアルバムを参照) <コースタイム(休憩一部省略)> 8月18日=20時石神井駅前−19日01時鷹ノ巣駐車場(仮眠) 19日(晴れ夕刻より一時雨)=鷹ノ巣登山口0630−0907下台倉山0925−1010台倉山手前1015−1029台倉清水−1135白沢清水1150−1310池の岳直下1320−1330姫の池幕営地(泊) 20日(快晴)=0410起床−姫の池0432−0500平ケ岳山頂−0505ご来光−水場−0530玉子石−0627姫の池(朝食・撤収)0745−0843白沢清水0847−0939台倉山0947−1034下台倉山1042−1105前坂1110−1220下台倉沢渡渉―1230鷹ノ巣登山口−桧枝岐村−東京 |
