| ヒメサユリ咲く飯豊連峰主稜を縦走 05年7月15日夜−18日 団塊オジサン
新潟・山形・福島の3県にまたがる飯豊(いいで)連峰は標高こそ2000M級だが東北地方随一のロングトレイル。豪雪地帯で入山可能期間が短くアプローチも不便とあって百名山ガイドでは、いずれも健脚あるいはベテラン向きの評価だ。当初、単独行を計画していたが声を掛けると、テンプルさんはじめ4人に同行していただけることになり計画を練り直した。ルートは多彩だが梅雨とあって落石の恐れがある石転び沢は避け、小国町・天狗平から梶川尾根に入り長坂尾根を下り福島・山都町に抜ける山中2泊のコースとした。1週間前には同一コースを縦走した2人パーティーの1人が稜線の雪渓で300M滑落、死亡した事故報道もあり、事前に地元の小国山岳会に残雪の状況などを問い合わせ万全の準備で臨んだ。 16日=夜行列車明けにもめげず標高差1600Mを登頂
15日深夜にJR池袋駅に5人が集合、上越線「ムーンライト越後」から羽越線に乗り継ぎ、坂町駅からは予約タクシー(1万3800円)で入山口の山形県小国町の天狗平に到着。朝食など済ませ午前7時04分歩行開始。選択したコースの梶川尾根−梅花皮(かいらぎ)小屋間は標高差1600M、5つのピークを越す9時間の歩行で、夜行列車明けではかなりの強行軍。幸い曇り空ながら雨の心配はなくケムタクさんを先頭に歩を進める。うわさに違わぬ急登の連続で息がすぐに上がる。とにかく今日は体力勝負なので目的地に確実に到着できるよう30分に1本ペースで休憩し後半のスタミナ温存に努める。滝見場で梅花皮滝の豪快な瀑布を眺め、最初の水場の五郎清水で昼食を取り、梶川峰からは残雪で覆われた石転び沢を数人が登頂する姿が遠望できたがダイクラ尾根方向はガスの中。13時過ぎにようやく稜線上の扇の地紙に着いた。ここからは2000Mの稜線漫歩と言いたいところだが雲行きが怪しくなりポツリポツリ雨が…。門内岳手前の小屋で雨具を付け、稜線から突き出た山頂に神社を祭る北股岳(2024M)のピークを乗っ越し15時半に梅花皮小屋に到着。メンバーの健脚ぶりとタフさに感心する。寝場所は2階、水場は近くトイレは水洗、建物も新しいが、小屋泊でもテントでも雨中の宿泊は快適とはいえない。3連休とあって結構な宿泊客。女性陣が準備してくれた夕食のすき焼きに舌鼓を打ち杯を交わし20時の消灯に合わせて就寝。夜中に目が覚め常夜灯のある階段で一人酒を呑む。 17日=雪上歩きと花街道を満喫
煮込みうどんの朝食を済ませ梅花皮小屋を6時前に出発、雨はやんだがガスが濃く雨具をつけて歩く。今日は烏帽子岳(2017M)から御西小屋までが雪上歩きとなり今回の縦走の核心部と思われピッケルを出す。同コースは非対称山稜で山形側がスパッと切れ落ちている。1週間前に滑落・死亡事故があった御手洗ノ池付近では緊張度が増す。雪の下には池とうが多いと思われる天狗の庭を過ぎ御西岳(2012M)に。当初予定の連峰最高峰の大日岳(2128M)往復はガスで眺望は望めそうになくパス。御西小屋で昼食を取り飯豊本山(2105M)を目指す。ここからは起伏の少ない広めの山道で福島側は大雪渓、山形側の稜線にかけての草原はニッコウキスゲやイワカガミ、ヨツバシオガマなどの高山植物が咲き乱れる、さながらフラワーロードの観。青空ものぞき始め足取りも軽くなる。駒形山を経て目的地の飯豊山に到着し記念写真。岩稜帯の御秘所を過ぎ300Mばかりの雪渓を下り切合小屋に到着。小屋裏の広場で暮れなずむ飯豊の山懐に包まれながら小宴を催す。切合小屋は山域唯一の食事を提供する小屋だが1人コメ3合持参という戦後の配給米制度の名残を残す方式。メニューも至って質素だ。 18日=ヒメサユリに励まされ人情温泉「いいでの湯」でフィナーレ
当初、単独行で計画していた飯豊連峰縦走、4人の方に同行していただき標高差1700M、歩行距離30KMの長丁場を無事歩き抜けました。ヘタレの私1人なら、きっと途中でもう1泊していたと思います。百名山の中でもロング・トレイルに属するだけに、皆さんの心遣いと健脚に励まされ楽しい山行ができたことを心より感謝します。(写真撮影はタッチー、イカリソウ) <コースタイム> 16日(曇り後雨)=小国町・天狗平(梅花皮山荘)0704−0855湯沢峰0911−0951滝見場−1055五郎清水(昼食)1130−1234梶川峰1245−1325扇の地紙1335−1350門内小屋(雨具装着)1410−1510北股岳1512−1535梅花皮小屋(十文字鞍部)泊 18日(薄曇り後快晴)=切合小屋0520−0630三国小屋0658−剣が峰−0758峰秀水0807−笹平−0910中十五里0920−1000御沢キャンプ場登山口−1025川入民宿街(タクシー)−いいでの湯−JR山都駅―郡山−池袋 |