富士の雄姿を目前に
          石割山の尾根を行く

 

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石割山頂から富士山を望む

     Y・シュガー 2002年12月15日

  速報

 最近入会したTさんを誘い雪を抱く富士山を目前に見たく山中湖稜線上の鹿留山から杓子山を計画したが最近鹿留山は人が入山して居ないためにルートが不鮮明との事なので急遽変更し、石割山より大平山を歩いて来ました。

 平野より石割神社までの道は歩道に雪が積もり歩きずらかったが登山口の鳥居を潜り長い石段を登り振り向くとそこには大迫力の素晴らしい富士の雄姿が!

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 石割神社

 軽アイゼンを念の為に持参したが登りもアイスバーンの所は無く、無風、快晴の山頂では、他のパーティーと最高の富士の姿にシャッターを切りまくった。長尾山、大平山、飯盛山と雲一つない富士の姿を心行くまで堪能した一日でした。

 

 

 

富士の雄姿を目前に

石割山の稜線を行く

 この所週末になると天気が崩れ、なかなか満足感味わえる様な山行が出来なかった。だが晴天のこの時期、ここ大泉からも雪を被った富士が遥かに見え、その美しい雄姿を目前に焼き付けたくなる衝動に駆られたその日、日照時間短い昨今、日帰りで間近に富士を望む事が出来、この時期歩けそうな山域を調べて見た。                 

 

 中央線に高川山、鶴ヶ鳥屋山がある。でももっと富士を間近にとなると三ッ峠、紅葉台から足和田山かな?「そうだ!」以前二台の車で中央道より富士吉田に向かい一台は内野から、もう一台の私達は不動の湯からと、それぞれ別れ向った山があった。その山名は鹿留と杓子と言った。

 あの時は「不動の湯」に車を置き杓子に向かう私達と、内野より立野塚峠を経由して鹿留に向かった仲間達が、中間地の尾根上で待ち受ける私達の前に、頭や上半身をカヤトの中より時々現しながら登って来た。早朝別れたばかりの仲間達を、稜線上で迎えた私達から旧知の友に偶然出会ったかの様な歓声が上がった時の、情景等が思い出された。

 合流したその場でお互い車の鍵を交換しあった私達一行は鹿留から仲間が通過して来た立野塚峠より内野へと下り、別れた仲間達が駐車場に置いていった車を捜し、私達の出発地でもあり最終の集合場所となった「不動の湯」へと向かったのだった。鹿留の尾根で別れ逆コースを取り杓子を経て行った者達は、既に先に「不動の湯」に着き入浴を済ませていた。山行後大宴会をやった楽しかった過ぎし日のミニ縦走コースを思い出した。

この稜線を歩き富士を間近に見よう!

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石割山頂で富士山をバックに
 

 早速時刻コースを調べてみた。行程時間を考え大泉発を始発電車にしても富士急の富士吉田駅までは、何度も乗り換えて行くのでどうしても八時過ぎ着となる。富士吉田駅より「内野」までタクシーで入り、下山口にある「不動の湯」の方にもタクシーを呼んだらどうか?    いやその逆の方がベストか?

 

 ルート、行程時間を検討し地元の情報をと「不動の湯」に電話をした所、現在積雪は十五センチ位との事。  (念の為軽アイゼンを持参すれば良し)次に「明見の湯」にも電話をと、何とした事か!最近の鹿留山は人山者が少ない為か? ルートが不鮮明になっているとの事! 富士吉田駅に電話しバス便を聞いたり慣れぬパソコンで乗り継ぐ時刻を調べたりした二日間は何だったのか! 己の手順の悪さを思い知らされたのだった。

 行きたい山域が駄目となると益々その方面に行きたくなる困った性分故、昨年一月に「ホテルマウント富士」に泊まり飯盛山より大平山を経て石割山を目指したが、平尾山を通過した頃より舞い始めた雪が吹雪に変わり始めた。同行の「爺や」を遭難させては親戚縁者から何を言われるかと大事を取り、エスケープルートで平野へと別荘地帯を通過しながら下った。この頃既に、雪も止み今下りて来た道を未練下に何度も振りかえ見ると、木々の間より向かったであろう稜線が青空となった中で白く輝いていた。仕方なく断念した逆ルートを歩こう。このルートなら下調べなしで同行してくれる人を誘えば良し。確か平野直行の高速バス便がある筈だ。

 念の為「高速バス」と「電車バスと乗り継ぐ」両方のコース時間、費用を計算した所、新宿より高速バス利用の方が家を一時間遅く出、費用も安く上がる。勿論遅く出る分、登山口の平野には電車利用よりも三十分位遅く着くが朝や寒さに弱い私には楽だ。高速バスを予約して行く事に決める。会員の同行者をと声をかけてみたが、皆それぞれに都合が悪く入会間もない瀧島さんと二人で行く事になった。彼女とは会山行の丹沢鍋割山、秩父の御岳山と二回一緒に歩いている。明るい楽しい山行になりそうだ。

待っていましたこの快晴を!

 山行日は十二月第二(日曜)の八日としたが又天気は曇りから雨?の様だ。「雄姿の富士山を望みに」と目的が決まっている為、「曇り空でも中止よ」と瀧島さんに伝えておいたので次の日曜に伸ばす。週末は快晴マークだ!嬉しい!当日大泉駅改札口で瀧島さんと待ち合わせ高速バス乗車の新宿駅へと。予約済の乗車券を受け取り出発時間を待つ間、下山ルートを考え帰路も高速バスを予約した。バスの座席に着く時、快晴の中聳える富士の雄姿を想像し気分がハイになって行くのを感じた。

 平野に向う車中からは純白な帽子を被った富士が徐々に大きく、富士急ハイランド間近になると更に裾野を長く広げた美しい姿を誇らしく見せ始めたのだ。終点の平野で下車し、気高く美しく聳えているその姿を見た瀧島さんは、バス停横のスーパーにカメラを購入に走ったのだった。快晴だが雪道のため私達はスパッツを着け歩き始めた。記憶と言うのは当てにならないものだ!  確かこの地より二度程石割山に登った筈なのに最初の角でどちらの道に向かったか記憶が無い。

 何時の間に二人の女性が、傍で地図を広げ立ち止まっている姿が目に入った。その人達も私達に気づき声をかけて来た。「石割山に行くのですか?」「ええそうです」と私。再び「この道を真っ直ぐですか?」と尋ねてきた。「私達は貴女方の後をついて行けば大丈夫と思っていたのよ」と私。そしてお互い笑いあった。角のお店で石割神社への道を確認し二人連れに知らせた。 

 石割神社への道は歩道と車道の区別があったが、雪が歩道に押し寄せられ歩きにくいため、車に注意しながら車道の端を歩き神社に入る分岐へと向かった。分岐からの道は広いが半凍結していた為前方より来る車も、ノロノロユタユタと進んで来る有様だった。鳥居がある神社への入山口には立派なトイレも有り、石割山は見上げる様な長い急な石段の登りから始まった。登山口には○○ハイキング、クラブと記された大型バスが一台駐車して在った。

巨大な御神体石に祭られた神社奥社へと

 私達は急な石段の中央に取り付けられているパイプを時々掴まりながら滑らない様に登った。尾根に出るとそれは美しい富士が雲一つ無い中、間近に聳え前後してその姿をカメラに収めている女性パーティーと「お天気が良くて素晴らしいですね」等と声を掛け合いカメラを交換し写真を撮り合った。

 太い大きなしめ縄で祭られ、縦に大きく裂けた岩を背にした石割神社には、岩の裂け目が石の字に似ている等の諸説からも山名の由来になっていると記されていた。    

 今日は気温が上がり暖かい一日になるとの予報だったが、山中湖上の稜線歩きだし風が吹いたらと思い防寒対策は万全にして来た。嬉しい誤算の快晴無風となった為、すぐに暑くなり防寒着をザックの上に上着を腕まくりし素手でもこの時期にと信じられない程の気分壮快で山頂に向かって歩く事ができた。

 山頂直下の急登は雪解けの泥んこ状態で足元は滑りやすく、時々急勾配箇所に張ってあるロープに身を託しながら石割の山頂に着いた。お互い軽アイゼンは持参していたが必要なしとの判断で歩いていた。山頂では登山口に在ったバスの一行総勢三十数名?が私達とは入替るかの様に、個々に軽アイゼンを付けピストンで下山する所だった。

 頂上に立つと急に目の前が開け、これから行く大平山から大出山へ、緩やかに高度を下げていく山稜上に雄大な富士が聳えていた。瀧島さんはザックを背にしたまま右左と走り回り美しい富士を撮り捲くっている。団体が発って行った山頂は人もまばらになり絶好のシャッターチャンスとなっていた。気がつくと私も一緒にザックを背負ったまま夢中でシャッターを押し続けていた。

 「食事にしない?」と声をかけザックより笹かまを渡すとコーヒーを飲み始めていた瀧島さんが「これはこっちの方が合うわよ」と指先で飲む真似をしたので、思わず大きな声で笑い合った。三々五々雪の無い場を求め腰を下ろしているパーティー達は、眼下に山中湖目前に富士の雄姿を捉え至福の時を過しているのか、それぞれ寡黙で微動だにもしない様子だった。

 私達は右手に雪化粧した南アルプス連峰の山並みを見ながら急下降の中長尾山へと向かった。振り返え望むと石割山南面ガレが雪で輝き、行く筈だった杓子、鹿留の山容がすぐ隣に眺められた。静かな雪景色の中、樅の木の植林帯が続く中を歩いた時は、クリスマスツリーの中をトナカイのソリに乗って行く気分になっていた。時々前方からのパーティーとはすれ違うが、後方の石割山からはどのパーティーも下りて来ない? 皆ピストンだったのか稜線の貸し切り歩きだ! 大窪山南面に別荘が点在し始めた頃、木の階段が雪で埋まり急斜面と化したアップダウンの山道を、ストックを付き細心の注意を払い大平山へと時間を懸けて向っている時、突如頭上の方から異様な音が聞こえ出した。

 ヘリコプターのホバリングの音かな?と思い頭上を見上げると空高くパラグライダーが舞っていた。数年前グアムでパラセーリングを試みた事があったがコバルトブルーの海を眼下に大空高く飛んだ感激は忘れがたい。今日の稜線漫歩も快適だが、この空から見下ろす景色もきっと素晴らしいのではと羨望の眼で見送り、何時の日か一度は挑戦して見たいものだと音を後に前進した。

雪ダルマのお出迎え!大平山山頂

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 林立するアンテナがあり、テレビの中継所にもなっている大平山頂には、何時誰が作ったのか雪ダルマが両手をススキでバンザイし私達を出迎えてくれたのだった。山頂は小広く南側にベンチ北側に東屋が用意されていた。ここで最後の大休止を取り飯盛山経由で舗道に出、車道よりホテルマウント富士の玄関前を通過し山中湖湖岸へと下った。湖岸の車道より高速バス停へと、発車時間の二十分前に無事着きお互いタッチし合った。帰路のバス車中は眠るつもりだったが、パッチリ眼で楽しく会話が弾み新宿まで帰った事が充実した山行を物語っていた。久しぶり良い山行が出来、同行者の瀧島さんに感謝感謝の一日でした。

 

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