夏空の鹿島槍、
五龍岳では富山湾に沈む夕日を見る
04年8月3日−5日 夏の賑わいが去り秋風が吹くころになると、自分が歩いたコースを地図で改めてたどってみたりガイドブックを見直したり、夏の山旅が思い出される。とりわけ単独行だと思い出を語り合う相手もいないので、1人、自室のベッドでビールを呑みながらのネクラな行為である。「そうだ。山行記を書いておこう」と忘れかけた記憶をたどりながら、後立山連峰の核心部、五竜岳(2814M)−八峰キレット−鹿島槍ケ岳(2889M)縦走を綴った。 <第1日=快晴。山ろく山野草園から遠見尾根へ>
白馬行き夜行バスでシーズンオフは閉鎖のスキー基地、白馬五竜エスカルプラザに夜明け到着。午前7時30分始発のテレキャビンに搭乗、山頂駅のあるアルプス平から小遠見山にかけては「五竜アルプス山野草園」という、きれいに手入れされた植物園とトレッキングコース。コマクサやハクサンシャジンなどが咲くお花畑には目もくれず一直線に樹林帯の遠見尾根を登る。 夕食はカレーライスだが、煮込みに時間をかけ香辛料に凝っている、というのが売り物とのこと。ここでツアー登山で2度ばかりご一緒になった女性と遭遇、彼女も覚えていてくれてお互い名前を教える。八方尾根―唐松岳―五竜岳−遠見尾根という2泊3日のコースとのことで、次回は東京でバッタリというあらぬ期待を抱く。夕焼けが美しいという声で山荘前のテラスに出ると、剣・立山連峰の向こうの日本海に夕日が沈むのが見える。条件が良ければ富山湾に浮かぶイカ釣り船の漁火が見える時もあるらしい。行動時間5時間。 <第2日=明け方小雨、後に快晴。八峰キレットに緊張>
明け方の小雨に雨具を羽織り五竜岳山頂へ。完全な岩山で頂上直下には鎖場もある。1時間で山頂到着、雨も上がる。夏休み最盛期とあって山頂は賑やか。20分ほど滞在し、いよいよ八峰キレットへ。キレットと呼ぶコースを歩くのは初めてで緊張気味。鎖場もある急下降を1時間。G4、G5と呼ぶ黒い岩塔を越え、北尾根の頭、口沢のコルで1本、三段登りの急登をこなしキレット小屋で大休止。小屋ではこれから30分間も鎖と梯子が続くと脅される。 鹿島槍直下の急登を過ぎ南峰のピークまで9時間を要した。山頂からは剣岳、立山、針ノ木岳がバッチリ。登山道横に残る雪渓では持参したシロップでカキ氷を食する人も。布引岳を経て冷池(つべたいけ)山荘に下る山道は平易で16時半に山荘到着。7月中旬に新装なったばかりで喫煙ルームもあり超きれい。新築記念の手ぬぐいを宿泊者全員に配っていた。食事メニューも満足ゆくもので布団は1人1枚の込み具合。小屋前の広場ではブロッケン現象が見れたという人もいた。行動時間10時間50分。 <第3日=快晴、無事下山、来年は大キレットだ> 最終日は6時前に出発。春先には種まき爺さんの雪形が現れるという爺ケ岳を経て種池山荘でコーヒータイム。途中、7月末の豪雨で崩壊した山道を緊急補修したところもあったがコースの概ねは楽勝。ただし登りには距離が長い。10時過ぎには扇沢登山口に到着、バスでJR信濃大町駅へ。駅近くの旅館で立ち寄り入浴、そこの親父が東京までの格安ビジネス回数券があると言ってくれたので早速ゲット。駅前の中華料理屋で生ビールに餃子、ニラレバー炒めを食し、「特急あずさ」で熟睡して帰京した。八峰キレットを難なく通過できたことで調子に乗って「来年は大キレットを経由して穂高に行くぞ」と思ってみたりもした。行動時間4時間40分。 <コースタイム(休憩含む)> 8月3日=テレキャビン山麓駅0730−アルプス平駅0740−小遠見山0902−大遠見1013−西遠見山1045−五竜山荘1235(泊) 4日=山荘0550−0655五竜岳山頂0715−G4岩塔0800−北尾根の頭0951−口沢のコル1020−1150キレット小屋1215−1451鹿島槍ケ岳南峰1510−布引山1550−冷池山荘1638(泊) 5日=山荘0545−0725種池山荘0750−扇沢登山口1010−扇沢BT1020−JR信濃大町駅(入浴・食事)−東京 |