粗忽者の山歩き−奥秩父・金峰山
                                           

                                 2001年10月27、28日    団塊オジサン

  冬が来る前にあの山に登っておこう

  そんな思いから奥秩父・金峰山、瑞がき山に登ろうと決めたのは出発日の3日前。金峰山小屋に電話してみると、「込んではいるが1人くらいなら大丈夫」との返事。28日の天候が気になるが行くことに決めた。毎度のことながら入念に山行計画を練り周到な準備をして、ということは私にはできない。先週出掛けた大菩薩嶺は紅葉がまだ七分程度だったが、この1週間で錦繍の情景は一段と美しさを誇っているのだろうか。
  ガイドブックによると金峰山へは山梨側・大弛(おおだる)峠からのコースが距離、標高差ともに容易のようだが、大弛峠までのタクシー代1万2000円は単独行には痛い。前日の夜行「急行アルプス」で小海線経由で行くことにした。小渕沢駅で小海線の始発待ち3時間。別の待合室でシュラフに寝ていた青年が寝過ごしたのか、乗り遅れて恨めしげに列車を見送っている光景が車窓から見えた。それにしても駅寝までして乗り遅れるとは−−。

  信濃川上駅で「山の会」へオルグ   

    最寄りの信濃川上駅で降り立ったのは私を含め3人。うち1人の妙齢(?)の女性は、2週間前の奥秩父・蕨山ハイクで登山口のバス停・名郷で往復ともに出会った人。聞けば「清里に泊まり、単独で甲武信岳に行く」とのこと。「石神井山の会」の別パーティーが同じ甲武信岳に行っているので「会えばよろしく伝えて」と伝言、住まいは西武・池袋線と聞いたので、しっかり「山の会」入会のオルグもしたが、いまだ連絡はなし。村営バスに30分ほど揺られ、妙齢の女性とも「お気を付けて」と別れ、川端下で下車。周りに高原野菜の畑が広がる舗装道路を歩くこと1時間足らずで金峰山荘。途中の廻り目平あたりでは屋根岩の岩峰が大きく見える。

  中ノ沢出合から山頂へ

  金峰山荘前の休憩所で朝食をとり地道の林道1時間で中ノ沢出合。西股沢の朽ちた丸木橋を恐る恐る渡り、ここから本格的な樹林帯の登り。絶好の秋日和というのに登山客は数組で、人気のある金峰山といえどもこのコースはマイナーなのかと思う。最後の水場、中間地点を過ぎ、そろそろ歩くのが嫌になってきた頃に、突然、金峰山小屋が現れてホッとした。ここからは山頂までピストンで30分余りだが、岩場のコースで結構きつい。山頂(2598M)に辿り着いたのが12時55分で、今日の行程は山小屋に入るだけなのでゆっくりと昼食をとる。
 風もなく少し霞んでいるが奥秩父随一の眺望とあって南ア、富士山が美しいが、やはりここからは、明日登る予定の中国・南画風の趣を持つ瑞がき山の眺望だろう。シンボルの五丈石へのアタックは、高所恐怖症なのでパス。少し早いが午後2時に金峰山小屋に入ったが、私が2番目。

  金峰山小屋にて

  若夫婦2人で切り盛りしているこの小屋に三々五々、登山客が入ってくるが女性客が目立つ。暗くなってからでも予約客が数組到着、なかには18人の団体客も。総勢60人程度で夕食は2回戦、布団は2人で1組で上下互い違いに寝る雑魚寝。山を始めて日が浅く、テントもシュラフも持ってないので、小屋泊を山行スタイルにしてきたが、来年当たりから行動範囲を広げようと思うので、そろそろ設備投資も考えなければと、まどろみながら考えた。幸い夜行列車だったこともあって、いびき、歯ぎしりに悩まされることなく熟睡できた。

  瑞がき山は雨で撤退

   小屋を出たのは午前6時30分でかなり遅い部類。曇ってはいたが、快調に千代の吹き上げ、砂払いの頭を過ぎたが、途中、鷹見岩への道に入り込んでしまった。2、30Mほど歩いてリボンの目印がいやに古いので間違った予感はしていたが、踏み跡がしっかりついており、稜線も近いことが分かっていたので躊躇せずに進むと、案の定、断崖絶壁。地図でみると鷹見岩展望台と分かった。しばし、休憩して引き返したが30分足らずのロスで済んだ。やはり怪しいなと思ったら地図をみることだ。大日小屋に着くころから雨が激しくなり始め、雨具をまとう。富士見平到着の頃には本降りとなってきた。瑞がき山頂まで往復3時間程度の行程で、まだ昼前で時間はたっぷりあったが、コースに岩場が多いこと、単独行であること、日没の早い季節であることを考え、あっさりと撤退を決めた。
 瑞がき山だけなら季節のいい時に日帰りで十分来れることも撤退の理由の一つだ。

  ベースキャンプは吉祥寺「いせや」

  富士見平に着くとちょうどマイクロバス出発の時間だったので、それに飛び乗り、増富温泉で山梨交通のバスに乗り換え韮崎へ。中央線のダイヤも順調で各停でも3時過ぎには吉祥寺駅に到着した。中央線の山行では帰りには、必ず井の頭公園近くの焼き鳥屋の「いせや本店」に立ち寄る。B級グルメの店として有名で、正午から営業しており、土日などは開店30分で満員になることもしばしばという大衆的というかアル中向けの店。「酒250円、焼き鳥80円」と「志は高く、呑み代は安く」をモットーにしている私は、かれこれ20年近く通っている。高尾山や奥多摩へのハイキング帰りの客も多く、1人反省会にはもってこいの店だ。
  紅葉の季節もあと僅か、そろそろオジサンの山登りも今年はフィナーレに近い。来年は少し設備投資をして行動範囲を広げよう。

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