足尾銅山

 

自然保護部企画「足尾銅山」に14人 (11/17〜18)            速報 

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 足尾銅山の廃墟と山=撮影・桐生さん


 
11月17日〜18日、石神井山野会自然保護部主催の「足尾の山々をたずねて」の観察山行に14名が参加、山岳自然がいかに大切かということを足尾の山々を観察することで実感してきました。
 足尾銅山は1610年徳川秀忠の時代に発見され、銅の採掘がおこなわれてきましたが、明治になって古河市兵衛の所有となり、日本の資本主義化、近代化の波のなかで銅の生産量が飛躍的にのびていった歴史が、足尾の山々の緑を奪ってしまいました。そして、足尾銅山の採掘による鉱毒の垂れ流しは渡良瀬川という一本の川を通じて、下流域の川、沿岸の農地、住民への多大な被害を及ぼし、谷中村全体が移住させられるという悲惨な歴史があります。今回の観察山行では、1973年に足尾銅山が閉山し、28年後にどれだけ自然が回復しているかを観察することでした。
 渡良瀬川沿いに車3台で足尾の山々


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松木沢方面から見る精錬所=浦添が1973年に撮影。製錬所の後方に見えるのが備前楯山

をめざしていくと途中からすばらしい紅葉でした。しかし、足尾の街をすぎると山の様相は一変し、荒々しい山が出現。28年ぶりにみた私は、「これが足尾の山だ」と思わず大きな声をだしてしまった。28年前と違って落葉樹の木は生えていたが、銅の製錬所があるところの山は、他の地域の山と明らかに違っていました。しかし、木が生えていま またした。
 山行目的の備前楯山の登山口まで車でいって、そこから頂上をめざして登り始めましたが、登山口は大きな木が生えていて、ここは被害を受けていないようでした。秋の暖かい陽射しを受けて楽しく登ることができました。
 50分あまりで頂上で、頂上からは足尾銅山を一望することができました。製錬所から出される亜硫酸ガスにより山の自然が破壊された範囲がくっきりと記されていることを見ることができました。遠くの山には土を運び上げて、自然回復の作業をしている光景もみれました。このような展望のなかでトン汁をつくって楽しい昼食でした。

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備前楯山頂上より=佐藤(洋)さん撮影
 

 参加したKさんは、「閉山して30年経過の今日 なんと目に映る山に弱々しい木が!! 草が生えているではありませんか!! 強制労働させられた囚人や、鉱毒で居住を奪われた村民達の頭上にも今日この空があったであろう・・・どんな気持ちでこのコバルトブルーの空を見上げていた事か・・・空を見る余裕すら無かったのでは・・・・山頂よりまだ荒れ果てた周囲の山を見、自然保護の大切さを痛感しました」と感想をよせてくれました。
 また、もう一人のKさんは、「とても面白い山行でした。学習のための登山としてよい題材だと感じます。人類発展のための銅採掘が自然の破壊と鉱毒被害をもたらすという二律背反的なジレンマを無意識に感じさせ、人間と自然の強調とは?の視線を否応無く意識させるものでした」という感想でした。
 自然保護部では、今度の山行の感想を集めてパンフレットを作成します。お楽しみに。 

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