残雪の韓国岳、菜の花咲く開聞岳ツアー
03年1月18−19日 団塊オジサン 週末利用の遠隔地への山旅は、旅程にかかる時間・費用をいかに効率的にするかが天候と並んで重要な要素を占める。今回の宮崎・韓国岳(からくにだけ=1700M)、鹿児島・開聞岳(922M)登山は鹿児島空港を挟んで約200キロの距離。単独行で公共交通機関利用なら2泊3日は必要。そこで、Kツーリストのツアー登山に単独参加することにした。費用は羽田−鹿児島空港間の往復正規料金で十分おつりが来るもので、温泉宿1泊2日で4食付。2山ともピストンとあって少し面白みに欠けるが、この時期に登頂できる「深田百名山」は、さほど多くはなく午前8時台のフライトで羽田を飛び立った。 <18日=快晴>天孫降臨の高千穂峰を仰ぐ 九州地方は1月初旬に16年ぶりの大雪に見舞われ、残雪が韓国岳の登山道にも色濃く残っていた。登山口のえびの高原からのコースは、その昔「坂本竜馬とおりょう」が新婚旅行で訪れたといい、近くに銅像もある。入山口が既に標高1200Mとあって、南国・宮崎といえども、登山道に残った雪は、日陰は凍結、日向は腐れ雪で結構歩きづらい。傾斜のきつくなる2合目からは軽アイゼン(4P)を装着、潅木帯を進む。高温ガスが噴出し立ち入り禁止の柵がやたら目立ち、ところどころ硫黄のにおいも立ち込める。5合目で樹林帯が切れるころ、天孫降臨の地、高千穂峰の秀麗な山容が、その前方には凍結した大浪池が姿を現した。7合目あたりから深さ300Mの切れ落ちた爆裂火口沿いのがれた道をたどる。ガイドブックでは「滑落注意」を呼びかけているが、立派な柵があり自殺志願者でもない限りは事故に至る心配はなさそう。 1時間半ばかりで山頂に到達。早春というにはまだ早いが、南国の青空、残雪の白、火山帯特有の赤茶けた岩肌を背にしばし休憩、あいにく遠望は春霞で、桜島、阿蘇山は見えなかった。太平洋側へ目を向けると新燃岳、高千穂河原方面への7時間30分行程の縦走路が見え、いずれ花の季節に訪れたいと思う。下山は同一コースを下り、山ろくでわずかばかりの休憩をとり、次の目的地、指宿温泉へと向かった。ちなみに案内していただいた現地ガイドは霧島山一筋に50年のベテラン。首都圏から飛行機とバスを乗り継ぎ、そそくさと登り去って行く「百名山ツアー客」(オジサンもその1人)にどのような印象を抱いているのだろうか。 <19日=雨のち曇り>砂蒸し風呂と薩摩焼酎に満足
宿泊地の国民休暇村指宿からバス30分程度で開聞岳登山口。途中の道路沿い、山ろくで見かけた菜の花は満開で16年ぶりの大雪だった鹿児島地方にも着実に春の足音は近づいている。開聞岳は太平洋戦争末期に1035人の特攻隊員が知覧基地からの出撃に際し、山頂に最期の別れを告げ東シナ海に消えていったという独立峰。今日は標高差800Mを登るが生憎の雨。登山道は山腹にらせん状につけられ、高度を増すごとに走馬灯のように景色が360度変わるという話だが、雨と霧にさえぎられ、見えたのはすぐ近くの池田湖(イッシーで有名)、本州最南端の長崎鼻ぐらいで、東シナ海に浮かぶ種子島、屋久島は雲海の中だった。山頂は狭く雨中で展望も望めないことから早々に辞し、昼食も7合目当たりで立ち食。天候に恵まれなかった分、下山後は指宿温泉名物の砂蒸し風呂でフテ寝、そして途中、見学に訪れた焼酎工場の試飲コーナーでは薩摩焼酎で自棄酒をあおる。 時間に余裕があった鹿児島空港では添乗員お勧めのラーメン店は遠慮し、空港ビル3階の黒豚料理の店「米米麦麦」に入った。そこの「たれやめ(薩摩言葉で「晩酌」の意)セット」は、地ビール、芋焼酎「麻友子」につまみ3品がついて1000円とお手ごろ。もちろん追加の焼酎も頼み、酩酊状態で機上の人に。スッチーは嫌な乗客と思っていたに違いないだろう。最後に1点。今回の山旅で感じたことはツアー登山はお気楽だという点。集合時間さえ守ればエスカレーターに乗ったのも同じで、ものぐさな性格にはうってつけだ。2週前に単独で登った石鎚・祖母・久住山は気温が低く積雪もあり、歩行中は滑落と道迷いに、そして下山後のバス時刻を気にしての行動。精神的プレッシャーは単独とツアーではかなり違うことを実感した。 |