| 紅葉と温泉のみちのく一人旅 ・・・大朝日岳周回 05年11月2日夜-5日 団塊オジサン
こだわった訳ではないが山形県の山を登るのは今年に入って3度目になる。今回は大朝日岳(おおあさひだけ=1870m)登頂もさることながら、山ろくにある古寺鉱泉に宿泊、神通峡での紅葉狩り、さらに泉質で評判が高い奥おおえ柳川温泉が目的のもっぱら観光登山。寒河江川を挟んで対峙する月山は古くから出羽三山信仰で登られた山だが、朝日岳は大正年間までの登山記録は少なく、また青森・白神山地に負けないブナ林の宝庫だという。 初日は月山口バス停からタクシーで日暮沢小屋の入山口に取り付き、10時過ぎに歩き始める。全国的に紅葉が2週間ほど遅いとあって東北地方といえども標高600mのこのあたりは黄葉・紅葉は今が盛り。天候に恵まれたこともありTシャツ1枚で入山後いきなりの急登をあえぎながら登る。もしもの降雪に備えピッケル、アイゼンを携行したのでザック重量は15キロと恐らく自分の登山史としては最重量だろう。最初のピーク清太岩山まで来ると西朝日岳(1814m)や竜門山(1688m)方面の展望が開け、今日の宿泊地の竜門山避難小屋も見渡せる。単独行では山小屋であれピークであれ目的地が視界に入るのは心強い。予定より早く竜門山小屋到着。眺望も以東岳から大朝日岳にかけての主脈縦走路、北東方向に月山、西方は飯豊連峰を見渡せたが鳥海山は雲の彼方。小屋は昨年建て替えられ内部は綺麗で水洗トイレ完備、水場も小屋前にある快適空間だが、同宿者はなく「孤独で寒く長い夜」を持て余す。暗くなる前に夕食を済ませローソクの灯で酒をあおる。酔いにまかせシュラフにもぐり込むが小屋内の室温は未明に氷点下3.3度まで下がり夏用シュラフでは耐寒の限界か。夜半に通り雨、雪になるかと思って窓外をみると霙にもならなかった。
2日目の朝はガスと強風で出発を遅らせ小屋を8時前にスタート。大朝日岳までは強風下の稜線歩行なのでジャケットを羽織る。再び竜門山を登り返すと緩やかな登りが続く。西朝日岳手前で逆方向から来る単独行の男性に出会ったのが後にも先にも今回の山行で遭遇した唯一の人物。中岳を巻き気味に進み金玉水の水場を確認し、頂上直下の大朝日小屋に荷物をデポし大朝日岳山頂に11時過ぎに登頂。もちろん立った1人の山頂。展望はガスでイマイチ、風もあり早々に小屋に戻る。古寺鉱泉の旅館に「予定通り4時間後には到着する」旨の連絡を入れ一路下山。小朝日岳(1647m)は巻き道を経て古寺山山頂で大休止。大朝日岳のシャッターチャンスを待つが山頂の雲がなかなか切れない。標高が低くなるにつれ太陽が顔を出し始めブナの紅葉が一段と鮮やかさを増す。 ここからは今回の山旅の目的の一つの「みちのく湯けむり紀行」。大江町にある朝陽館はかねて宿泊したかった旅館の一つで朝日連峰登頂の折には必ずコースに組み入れようと思っていた。人里離れたランプの1軒宿、建物は昭和10年代の築で「昭和初期」の面影を残す。鉱泉は木の浴槽、冷泉で家族のおばあちゃんが薪で沸かす。熱ければ湯温の低い源泉を汲んで調節する方式。男女混浴だが宿泊者は私1人で期待はかなわず。夕食は岩魚の塩焼きに山菜料理とすべて食材は地元産で美味しくいただく。部屋ではランプの灯と古寺川の瀬音を肴に地酒「朝日川」で一献。思わず吉田拓郎の「旅の宿」を口ずさむが「浴衣の君」はいないし「ひとつ俳句でも…」の才能もない。
最終日の5日は奥おおえの柳川温泉を目指す。古寺川の下流12キロを歩くが途中の月布川渓谷沿いに4キロの「神通峡遊歩道」がある。県内でも有数の紅葉の名所と地元ではPRするが、蔵王や月山、山寺(立石寺)ほどの知名度はない。期待通り紅葉は盛りで快晴、アマチュアカメラマンやハイカーも多い。休憩用ベンチもあるが朝から酒を呑む訳にもいかず粛々と紅葉狩りを楽しむ。晩秋の陽光が月布川に映え紺碧の空に紅葉が目に痛い。「♫ 秋の夕陽に照る山もみじ 濃いも薄いも数々あれど ♫」と小学校唱歌歌いたくなる。 <コースタイム> 11月3日(晴後曇り)=日暮沢小屋登山口1015-1255清太岩山1315-1346ユーフン(熊糞)山1349-1449竜門山山頂―1510竜門山避難小屋(泊) 4日(ガス・強風)=竜門小屋0755-0809竜門山山頂―0904西朝日岳0917-1024金玉水1030-1035大朝日小屋1054-1105大朝日岳山頂1110-1120大朝日小屋1151-1254小朝日岳分岐―1343古寺山1405-1448ハナヌキ峰分岐1505-1612古寺鉱泉朝陽館(泊) 5日(快晴・無風)古寺鉱泉0742-0830古寺0850-0908神通峡遊歩道―1119奥おおえ柳川温泉1350(町営バス)-JR左沢駅―山形駅-東京 |