「願はくは花の木の下で…」石老山お花見山行

                   2006年4月9日

                     団塊オジサン

 願はくは花の木の下で春死なむ そのきさらぎの望月のころ(西行法師)

石老山に咲く桜

 73歳で没した西行法師は亡くなる数年前にこの歌を詠み、実際に如月の望月(陰暦2月16日)に鬼籍に入ったという。還暦に後一歩という年齢になった私も桜の花を見るとこの短歌を思い浮かべるようになった。かといって散りゆく桜を見て「人の世の無常」を思うでもなく、やっていることは花見酒でアーコリャ・コリャの「花より団子」の世界なのだが…。

 4月の会山行は石老山(694M)への花見山行で総勢13人。西行法師が鎌倉から奥州行脚に出かける際に立ち寄ったといわれる俳諧浄土正覚寺を石老山入山前に訪れた。通称、俳句寺とも呼ばれ自作を句碑にして寄進もできるという。また散り椿、五色椿の双樹が境内に植えられ、傍らに西行法師の「吾妻路や阿比の中山ほどせばみ 心の奥の見ゆばこそあらめ」の石碑が苔むしている。5月には滝のように咲き誇る滝つつじでも有名らしい。 

石老山からの下山

 正覚寺で精進落としを済ませ、今が盛りとレンギョウやコブシが咲き誇る長閑な田園地帯を抜けイカリソウさんを先頭に顕鏡寺参道より入山、30分で最初の休憩ポイントの顕鏡寺到着。絶好のお花見日和とあって汗ばみ始めた。真言宗高野山派の山寺で蛇木スギや大銀杏などの古木が目立つ。ここで出発をずらせた韋駄天RYUさんが早々と追い付いた。

 古びた鳥居をくぐり鏡岩や弁慶岩など定番の説明版が設置された巨岩・奇岩コースをエッチラオッチラ。国歌「君が代」の歌詞にある「さざれ石」の生成も多く見られる。ソメイヨシノが満開の融合平展望台で地元では神奈川県のスイスと形容する田園風景を眺めながら小休止。ここで早くもお花見・宴会を始めようとの声も。少し心が揺らぐが、ここで店を開いてしまうと山頂は極められないからと歩を進め11時に山頂到着。正面に丹沢の山々がずっしりと構える。

 生憎、山頂の桜はまだつぼみ。早速、女性陣の手でトン汁つくりが始まる。今日は田舎味噌風の味付け。マキノンお父さんから日本酒の差し入れがあり、特別参加の立ち飲みさんからも京都の老舗のブランド品、一澤帆布製のザックから発泡酒の差し入れ。もちろん春のハイキングには欠かせないロープさん手製の「春キャベツとイカの塩和え」も美味しくいただく。この絶品を食するたびにロープさんへの思いの丈が募る。

 柔らかな春の日差しの下、手料理と美酒に酔いしれ2時間余の大休憩となった。帰路は神奈川の水がめ、相模湖を見下ろす大明神展望台での休憩を交え、お酒でやや不確かな足取りにもかかわらず、予定通りピクニックランドバス停に下山できた。JR相模湖駅でとりあえず解散。参加者の皆さん、前日のトン汁の下ごしらえから有難うございました。最後にこの3月から4月にかけては、雪山での凍死や雪崩による遭難事故報道が相次ぎましたが、西行法師のように季節のいい時期の里山の花の木の下で命を全うしましょう。葬儀や後に何度も催す法事が、厳寒期や酷暑の季節では故人を偲ぶにもつらいものがありますから…。

<コースタイム>

JR相模湖駅(バス)0833−0845石老山BS−正覚寺散策−石老山登山口0905−相模湖病院0920−0936顕鏡寺0945(吉田さん合流)−1015融合平展望台1025−1100石老山山頂1320(1320)−1402大明神展望台1415−1520ピクニックランドBS1525−JR相模湖駅