台風10号のおかげで穂先もゆったり

    台風情報とにらめっこで行く槍ヶ岳
              
2003年8月8夜〜11日
                                         メンバー・会員7人、会外1人

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台風一過。青空に突き上げる槍ヶ岳=10日

 異常気象の今年の夏を象徴するような台風10号に、翻弄された山行となった。しかし、決行してみると、槍の穂先の渋滞にもあわず、のんびり登頂を楽しませてもらえた。4年ぶりとなった槍ヶ岳だが、8人のメンバーのうち私を含め3人がそのときのメンバーで、残り5人は槍は初めて、さらにテント泊もである。それでも、リーダーの心配をよそに、みんなの頑張りで順調すぎる山行をさせてもらった。

槍ヶ岳だけに台風をやり過ごすのがポイント

 今回は、往復ともアルピコグループの上高地直通バスを利用することにした。雨しだいで沢渡(さわんど)での待機覚悟のスタートとなった。最初の計算だと高速で台風とすれ違うはずだったが、遅々として進まな台風のために、上高地には予定(午前6時)よりも早い5時40分に到着。昨年来たときは工事中だった案内センターに待機して、情報収集することにする。

 ここには、タッチパネル式のパソコンが設置してあり、登山者が自由に気象情報などを調べることができる。ラジオの情報と合わせ、台風は午後3時ごろに通過と判断。登山相談所の人も、「それほど雨は降らないよ」と心強い。きょうは槍沢キャンプ場の予定を変更して、様子を見ながら横尾でキャンプし、そこで台風をやり過ごすことにした。
 雨足はそれなりにあるものの風はなく、意外と楽な歩きとなった。ほぼコースタイム通りに進み、10時半に横尾に到着。テントを張ってからのんびりすごした。夜半から満天に星が輝きだし、明日の快晴を約束してくれた。

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たっぷり残る雪渓を登る=10日

 10日、午前3時に起床、5時10分に出発する。思惑通りすっきりと青空が広がる。風もなし。休憩すると全身から湯気が上がるほど、強い陽光が降りそそぐ。8時ごろには、昨日幕営を予定していた槍沢キャンプ地を通過、殺生ヒュッテのキャンプサイトを目指す。8時25分に大曲で休憩と順調に進む。ここからやっと登りの角度も出てくる。今年は積雪が多く気温も低かったせいか、雪渓がかなり残っていて、涼風が心地よい。紺碧の空と雪渓の白、ハイマツの緑のコントラストが鮮やかで、心にしみ入る美しさだ。シナノキンバやチングルマのお花畑も、いまが盛りと咲き誇っていて、みんなの疲れを癒してくれる。

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殺生ヒュッテのテントサイトで虫干し=10日

 

 

 

 殺生ヒュッテには午後1時20分に到着。明日の朝一番で穂先に登り、一気に下山するか、このまま穂先に登ってしまうか迷うが、「今晩から曇る」という天気予報に、いやな予感が走り、できればこのまま登ってしまいたい。メンバーを見ると、意外?と元気だし、天候も安定している。一休み後、穂先を登ることにした。遅れた2人は、辞退するという。6人がサブザックで穂先を目指した。

 穂先は何とスカスカ。台風のおかげです!

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緊張の登りはじめ。眼下に槍岳山荘=10日

 槍岳山荘まできて穂先を見上げると、意外にもスカスカ、台風のおかげで余裕の登りができそうだ。ここでNさんが、リタイア。結局、私以外は初体験となる計5人が登ることに。
 「どきどきして大変」というKKさん、「呼吸困難だわ」といっていたMHさんも、いざ登りだすと落ち着いたもので、安定している。入会したばかりのTKさん、本格的山登り初体験のUさんも、まったく問題ない。30分ほどで頂上に着いた。

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最後の階段を登りきると360°パノラマが待っている。入会したてのTKさんも無事登頂

 


 頂上も無風で、寒さは感じない。先着の人は10人ほどだし、後から登ってくる人も少なく、山頂でのんびり360°パノラマを満喫させてもらった。
 下りも、まったく問題なし。「どうやって降りようかしら」と、登りながら盛んに言ってたKKさんも、笑いがでるほど余裕の表情だ。

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余裕?の下り

 

 

 肩で、Nさんと合流し、東鎌尾根を歩いてちょっぴり縦走気分を味わって、殺生ヒュッテのテン場まで戻る。この頃になると予報通り、雲やガスが出てきて槍も隠れ出す。ビールで乾杯後、夕食をすまし早めの就寝。夜中には雨が降り出し、風も強くなる。朝起きると、トイレに行くにも大変なほどガスが出ていた。

 温泉につられて猛ダッシュ

 最終日の11日、予定にはなかった温泉に入るため、上高地に午後1時到着を目指すことに。みんな雨と汗でべとべとになっていたこともあり、やる気満々。小雨が降ったりやんだりのはっきりしない天候の中、休憩もそこそこに元気いっぱいだ。が、ただ一人、今回、本格山行初体験のUさんだけが、かなりグロッキーのようす。それでも、みんなになだめすかされながら、頑張ってついてくる。
 午後1時10分に見事、上高地に到着。それにしても観光客の多さには閉口。観光案内所で、入湯と食事ができるところを探し、アルピコの窓口でバス乗車を上沢渡停留所に変更し、タクシーでゴー。初めて入ったところだが、温泉はきれいで、そばもおいしく、停留所も真ん前で大当たりだった。やっぱり山に温泉はつきもの、さっぱりしてバスに乗り込んだ。途中渋滞に巻き込まれたが、それでも1時間遅れの午後10時に新宿に無事到着した。

<参考データ>
バス運賃・往復14000円(通常12000円)、温泉・お憩み処さとう、入浴料500円
キャンプ1人1泊500円

 <コースタイム>(休憩時間含む)
8日 新宿(都庁)11:00〜上高地5:40
9日 上高地6:40〜明神7:35〜徳沢8:50〜横尾10:25
10日 横尾5:00〜槍沢ロッジ7:00〜大曲8:25〜中沢9:20〜水沢10:40〜
    大蔵ヒュッテ分岐11:30〜殺生ヒュッテキャンプ場0:50〜槍岳山荘14:00〜
    槍ヶ岳頂上14:35〜槍ヶ岳肩15:20〜殺生ヒュッテキャンプ場16:00
11日 殺生ヒュッテキャンプ場5:10〜水沢6:00〜槍沢ロッジ8:20〜横尾10:00〜
    徳沢11:05〜明神12:17〜上高地13:10

(ヒロナガ記)

 

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