ナメと草原輝く美渓にうっとり
・・・・宝川・ナルミズ沢
2003年9月6〜7日
晴時々曇り(遡行中)
メンバー・にご〜。(CL)いちごう、ヒロナガ
今シーズン、初めての一泊沢旅に心もおどる。軍刀利沢のときににご〜。さんから話を聞いて、ガイドブックを何度も何度も読み直していたほど、あこがれていた沢だけに、ぜひぜひとお願いしたのだった。メンバーは、にご〜。さん、いちごうさんと私の3人。 2時間半の林道歩きのご褒美 2時間半の林道歩きに耐え、いよいよ徒渉点に到着。右岸の登山道をさらに登って、ウツボキ沢出合からの入渓もあるが、完全遡行を目指し、ここからの入渓とする。装備をつけていると、ツアーなのか、ガイドとおぼしき男性とアシスタントの若い男性に引き連れられた10人近い女性(けっこうなお年)の集団と出会った。あいさつしても誰も返してくれない、おぶられて徒渉するわで何か変な感じ。その集団は、そのまま登山道へと消えていった。(ああ、よかった)
入渓すると、2時間半の林道歩きのご褒美、明るく美しいナメが待っていてくれた。「晴れていれば、もっと明るいのに」と、ついついグチっぽくなるが、雨もとりあえず上がり、小滝やへつりを快適に越えていくうちに、心も華やいでくる。ほどなく、広河原に出る。テントが何張か張られていた。雨のせいか淵が少し濁っていたが、それでもエメラルドグリーンの輝きは十分小滝たちを魅力あるもにしてくれている。
大石沢出合には、これまたきれいな淵に、滝が水を落としている。左岸は草原で、右岸は森。大石沢側に10bほど登ったところに通っている登山道の横に幕営することに。焚き火のあともあちこちにある。にご〜。さんの計画では、焚き火で飯ごうごはんをたく計画だったが、再び降り出した雨に、さすがの焚き火研究家も断念。テントの中での食事となった。それでも、ガスで炊いたご飯での、いちごう作「牛肉・ゴボウのピリ辛ご飯」は美味。疲れた体でも食がどんどん進む。いままでの山のメニューとはひと味違っており、感激してしまいました。また、食べたーい!(調子いいか)。夕飯まで、みんなでつり糸を垂らしてみたが、釣れてくれる、人のいいイワナは残念ながらいなかった。
翌7日は、3時半起床、霧雨が降っていたが、日が出るころには、青空が見えてきた。「晴れ女」のいちごうさんに感謝。朝食はうどんと浅漬けですませ、テントはそのままに6時過ぎに遡行を再開した。 ナルミズ沢まで少し下り、大きな淵の左側から3b滝を越えると、そこにもビバーグしていたパーティがいた。流れのすぐ右だが、雨が強くなければ快適に寝られそうだ。小滝をいくつか越えると、流れののんびりしたトイ状の淵、ちょっと深めの淵を持ったミニゴルジュと続く。正面には、大烏帽子岳があるのだが、ガスで頂上が見え隠れしている。朝日に輝くナメ滝を越え、ブッシュをつかんでのへつりなどを交えて楽しい遡行が続く。
巨大スノーブリッジにドキリ ゴーロ帯と土がむきだしの一帯が突然現れた。いちごうさんは、「水の濁りはこのせいじゃないの」と、いかにもにがにがしそう。いったん流れが細くなったが、そこを通過すると、豊かな水を落とす8bの魚止め滝が現れた。ここは右から巻いたが、ズブズブの泥んこで足を取られて一苦労。にご〜。さんはよっぽど、おニューのザイルを使いたくないらしい。 ゴーロ帯に入ると、巨大なスノーブリッジが出現。溶けてしずくが滴っているうえに、崩壊が進んでいて、けっこう緊張感が走る。万一に備え、一人づつ通過した。反対側から見ると、大きなヒビが入っていてドキリ。6b滝を左のバンドから登るとすぐに二俣にぶつかり、ここで一本とった。
贅沢な冷やしソーメン いよいよ、ここからがいわば、ナルミズの核心部、にご〜。さんに「天国系」と言わしめたほどのロケーションなのだ。左俣は朝日岳には近いのだが、ナルミズ沢の完全遡行を目指す我々は、もちろん右俣へと進む。両岸が笹の草原となり、赤味を帯びたナメ床は緩やかにくの字に曲がる。ところどころに、バスクリンを入れたバスタブのようなホールもあって、おもしろい。青空に浮き上がる大烏帽子岳に向かって階段状に伸びるナメ滝、見ただけでうきうきしてくる。
流れが草原の中に消え、あとは尾根に向かって踏み跡をたどる。途中に池とうがあった。大烏帽子岳からジャンクションピークにつながる尾根に出たところで3人で握手を交わし、完全遡行を喜びあう。ここで装備を解き、草原の中の踏み跡をひたすら登るが、けっこうな急登だ。ジャンクションピークからは、整備された登山道で、木道も設置されている。宝川温泉への分岐にデポして朝日岳頂上へ。頂上は、ずいぶんにぎわっていたが、前橋労山による集中登山だと分かった。 大石沢までの下りは、踏み跡に毛が生えたような道で、おまけに急、途中の岩場のトラバースでは踏み跡が消え、かすかな印を頼りに進んだ。 滑りやすい急な下りが終わり、傾斜が緩くなるころ、やっとビバーグポイントに到着。撤収を急いですまし、右岸の登山道を進む。ところが、ここがくせもので、湿気というか水分が多く、どろどろ。さわやかな沢歩きとのギャップもあって、うんざりしてしまった。徒渉点では、靴を洗うのにちょうどいいと、3人とも登山靴のままじゃぶじゃぶと渡った。 救いの女神 泥んこに足を取られたせいもあり、以外と時間をくってしまい、楽しみにしていた宝川温泉がピンチ。最終バスが5時15分なのでどうみてもぎりぎり、つかる時間が少ない。相談の末、水上で温泉につかることにした。
道々、いちごうさんと、「林道で誰か車に乗せてくれないかな〜」と虫のいい話をしていたら、なっ、何と、実現してしまったのだ。ゲートを越えてすぐに、こちらに向かってきた白い高級乗用車が、ユーターンして我々を通りすぎると、止まるではないか。そして、女性ドライバーが顔を出して、「どこまで?」と聞いてくるではないか!「宝川までで〜す」とできるだけ、好印象になるよに美声をはりあげた。「じゃ、乗ってく」。やった!これであきらめた宝川温泉も入れると一同大喜び。それにしても、どろどろの我々をよくぞ拾ってくれたものです。救いの女神です。感謝感謝です。トランクを開けると、中にザックとヘルメット、やっぱり山仲間はいいもんです。
聞くと、群馬の大間々の山岳会に入って一年ほどで、沢はもちろんアイスクライミングもやっているとのこと。今回も、ナルミズ沢の左俣から朝日岳に行ってきたとそうな。朝日岳の集中をやっていた前橋労山の人たちともいっしょということで、宝川温泉でおろしてもらうときに、会長さんに合わせてもらった。
にご〜。さん念願の宝川温泉に無事つかり、バスの中でビールで乾杯。人の情けとビールが全身にしみわたり、ほろよい気分も絶好調です。バスの中には、おじさんと若者男女2人の3人パーティーがもう1組だけ。聞けば、町田の労山で最近分家した小さな会とのこと。労山の活発さをあらためて知らされました。しかも最近メールで問い合わせがあった、転居で北多摩山の会から新しい会を探している人の名前が出てきたのにはびっくり。さらに、さらにナルミズ沢の源頭部であった3人パーティーも労山で、しかも、うちの会長の知り合いだったとは。山の世界は狭い! (ヒロナガ記)
<コースタイム>(休憩時間含む) <参考>上野駅〜水上駅=特急料金1990円+運賃2940円=4930円(片道)
|
![]()