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綺麗な山だな。雪倉岳の第一印象だった。谷間から湧く雲を薄衣のようにまとう姿に、しばし見とれたのを今も憶えている。白馬岳の頂上宿舎で汲んだ水の重さで、ずしりと肩に食い込むザックを恨みながらも、長い1日がやっと終わろうとしていた頃だった。量感豊かな山容となめらかな山肌、あの雪倉岳の頂に向かう尾根の始まりに、きょうの宿、雪倉避難小屋が見える。一刻も早く重いザックから解放されたいが、この山をもう少し眺めてもいたい。そんな小さな葛藤があった。遅い足取りに、我々の影法師が見る見る伸びていくー。くたびれ果てながらも栂海新道を歩き通し、日本海の水に戯れた充実の日々。雪倉岳の姿とともに鮮烈に蘇る。(北アルプス・雪倉岳 2007/10/06)