メンバー・YoidoreYamaOyaji、Yoshiryuu、Yamachan
1998年12月30日〜1999年1月1日
「サク、サク」から「キュッ、キュッ」。落ち葉を気持ちよく踏みしめながら、シャクナゲ尾根をゆっくりと歩き始める。いつしか、雪を踏みしめる音が金属的になった。
Yoshiryuuリーダーで、Yamachanがトップの3人パーティー.だ。Yamachanは遠慮なくぐんぐんとばす。予定していた大坪さんは、柴さんの急病を心配して居残ることとなった。白樺尾根の分岐からニュウに向かう。道標をみて「乳」と書くのだとわかった。ガスで山容は見えないが、おっぱい山かなと想像し、すこしおかしかった。
きょうの幕営地の白駒池が近ずくと、湿地帯となり、雪や氷がへばりついた木道を歩く。転ばないように神経を集中した。幕営は青苔(せいたい)荘前のキャンプ地で、すでに、十張り以上の先客がいた。かなりの冷え込みで、幕営中、どんどん指がかんじかんでくる。
水場はどこかと探すと、なんと池のなかだった。氷がはった池の上を割れないかなと慎重に歩いたが、七メートルほどのところに、ぽっかり開いた穴があった。見ると、氷の厚みは十センチ以上もあって、心配には及ばなかった。指が痛くなるほ、水は冷たかった。透明の水筒に水をくむと、少し茶色に色づいている。「まっ、いいか」
テントに入るとさっそく、ビールで乾杯。紅白の蒲鉾やらおせち料理、kinparaさんが朝早く差し入れてくれた純米酒と手料理、そして、Yosiryuが持参したとっておきのトロの刺身などなど豪華に並んだ。一足先に正月気分いっぱいのごちそうに、舌づつみを打った。
翌朝、前日つくりすぎた豚キムチ鍋をたいらげ、出発。きのうに引き続き、見晴らしはない。樹林の壁と雪のじゅうたんを踏んで快調にとばす。しばらく歩くと高見石小屋に着く。ここもしっとりとしたいい小屋だ。ここから中山経由で天狗に向かう。ザックをデポしアイゼンを装着して東天狗に登る。途中、女性一人と男性二人のパーティーで、女性をロープで確保しながら登る姿が目を引いた。頂上は予想通り雲のなかで、何も見えずすぐ下山。例の女性を確保しながのパーティーは、登頂を断念して下山中だった。
中山峠にもどり、きょうの宿、しらびそ小屋に向かった。小屋に近づく頃、天気が好転してきた。自然は「皮肉なものだ」。途中、三十人ぐらいの若い人も少し混じった中高年団体とすれちがったが、小屋に着くと、その団体が新館に泊まることがわかった。聞くと関西からのツアーだという。
小屋に到着すると、天気はすっかりよくなり、雪化粧の天狗がまぶしく輝いていた。小屋に入ると、先客がストーブを囲んでいた。窓の外に据え付けられた餌台には、色とりどりの野鳥が入れ替わり立ち替わり訪れ、心がなごむ。リスもくるという。小屋は黒ずんだ柱や壁板などが歴史を感じさせ、とても落ち着ける。スタッフも笑顔で迎えてくれて、うわさにたがわず居心地よさ抜群だ。
夕食には年越しそばがでて、にごり酒や焼酎、ウイスキーがボトルのまま置かれて飲み放題。しゃれたとりはからいにあらためて感激。朝食には雑煮とおせちがならんだ。はじめての八ヶ岳で、しかも越年山行も初体験だったけど、家にいるより、よほど正月気分にひたれ、楽しさいっぱいで帰路につくことができた。