| そいつは突然に現れた。雲の衣をまとい、黒々とした岩肌を飾っていた。威風堂々という言葉が実に合う。うかつには近づけない、圧のようなものを感じさせる孤高の山だ。ところがカニのたてばいには、話題のラーメン屋の前にできる都会のありふれた風景よろしく、長い行列ができていたのだ。その行列と少し違うのは、ほとんどの人が頭にヘルメットをのせていたことだ。ガリバーに群がるこびとのようで、ユーモラスさえ覚えてしまい、緊張感はいっきにとろけてしまった。しかし、よく考えると険しさは一級の山だという事実は、登る人の多さに関わりなく厳然としてあるのだ。いや、むしろ人の多さ故に落石や落人のリスクは高まる。改めて気を引き締めた。 |
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| 孤高の山、剱岳=15/09/20 | |||||||||||||
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